お気に入りのセリフで百合作品紹介第10回「制覇するフィロソフィア」
久しぶりの百合作品紹介です。
今回は、先日発売された制覇するフィロソフィアの紹介です。
制覇するフィロソフィア(小説):定金伸治作、エナミカツミ画、集英社スーパーダッシュ文庫、集英社刊
「おれは根拠なく皆見に惚れた。理由なく、こいつでなければならんと直観した。そこに在るから、在ったのだ。(後略)」(和)
後略の部分にもセリフはありますが、今回は割愛するとして
実に気持ちのいいセリフでした。
まあ、この場合の惚れるは漢が漢に惚れるというほうの意味なんでしょうが。
この作品はどう見ても魁!男塾のパロディです。
作者本人が、あとがきでその点について語ってますし。
漢気を貫こうとしたらどうしてもあの作品に近くなってしまうのは必然かもしれませんが、あからさまなパロディがいくつもあって(特にオチです。あの作品のパターンを踏襲していました)個人的にはかなり楽しめましたが、パロディを入れることを良しとしない人から見たらどう思うかはわかりません。
その中で、独自の要素『哲』で戦うというのはかなりおもしろかったです。
一応、哲学を少しはかじった身なのですが、それらの知識をこういう風に使うという発想はまったくありませんでした。
もっと頭を柔らかくしないとダメだと思いましたね。
カントやらヴィトゲンシュタインやらソクラテスやらの小難しい理論を小説のおもしろさに変えてしまった定金氏の手腕に脱帽です。
和と皆見の関係、特に皆見の方はかなり百合だと思いましたが、結局この作品は
漢同士の熱い友情と言った方がしっくり来るような気がしました。
まあ、でも、個人的には百合作品扱いです。
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